世帯人数の増減やライフスタイルの変化によって住宅ニーズが合わなくなったら、住宅はそのままに内部の間取りのみをチェンジする「間取り変更リフォーム」がオススメです。
新築や建て替えに比べると費用を節約できる反面、いくつか注意しなければならない点があるのでご紹介します。
家の構造は大きく分けて2つあり、1つは柱や梁に筋交を入れて組み立てる「木造軸組工法」と呼ばれるもの。もう1つは木材の枠組みに板を打ち付けたものを組み立てる「木造枠組壁工法」で、別名ツーバイフォー工法と呼ばれています。
点と線で支える前者に比べると、後者の方が耐久性は増しますが、壁自体が家を支える柱として機能しているため、簡単に壊したり撤去したりすることができなくなります。そのぶん前者に比べると間取りの変更に制限がかかり、自由度は低下してしまいます。
なお、埼玉のような首都圏はマンション住まいの方も多いのですが、集合住宅という性質上、自分の部屋だけの問題ではなくなるため、ツーバイフォー工法だと壁の撤去はほぼ不可能といえます。
マンションには、所有者全員が快適な居住環境を確保できるよう、管理規約が設けられています。
その中にはリフォームに関する項目も含まれており、マンションによっては防音性を維持するためにフローリングに変更することを禁じていたり、勝手に窓を取り付けるのをNGとしていたります。こうした制限があると、間取り変更したときに内装の統一感が損なわれたり、部屋に十分な光をとれなくなったりすることがあります。
間取り変更リフォームはリーズナブルなものだと300~400万円程度で済みますが、場合によっては建て替えと変わらないくらいの費用が掛かってしまうこともあります。
例えばキッチンやお風呂場などの水回りを移動したり、壁を撤去したり、廊下の幅を拡張したりするような大がかりな工事には相応の費用がかかります。
あれもこれもと欲張って設計すると予算を大幅にオーバーしてしまうこともありますので要注意です。
リフォーム業者にも得意な分野、不得意な分野があるので、間取り変更リフォームを希望するなら内装リフォームの経験や実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。
特にマンションの場合は制限が多いので、マンションの間取り変更リフォームの実績が豊富かどうかは業者選びの重要なポイントとなります。
歴史や実績は公式サイトなどで簡単にチェックできますが、実際の人となりは面と向かって話さないとわからないので、まずはリフォームについて問い合わせたり、見積もりを依頼したりして業者の良し悪しをじっくり見極めましょう。
リフォームの知識・技術に長けていて、かつ自分のニーズに合った業者を選ぶと、リフォームするにあたってネックだった部分もうまくカバーしてもらえます。
ここではいくつかの制限を乗り越えた間取り変更リフォームの例をご紹介します。
構造上、動かしたり壊したりすることが難しい壁は、工夫によって室内の良いアクセントに変えることもできます。
例えば壁に飾り柱をつけるとおしゃれな印象になりますし、小窓や照明を埋め込めば、部屋により多くの光を取り込めるようになり、室内全体が明るくなります。
壁自体に厚みがある場合、収納としてリフォームすることもできます。
例えば、壁の一部をくり抜いて棚を作り、本棚にするなど。もちろん支えとなる柱はそのまま残すので、耐久性が低下する心配はありません。
壁付けキッチンを今流行の対面式に変えたい場合、給排水管や電気配線がセットになっているシンクやコンロも一緒に移動するとコストが高くなります。
そんなときはシンクとコンロはそのままに、キッチンカウンターを延長したり、独立型のカウンターをつけてアイランド型にすれば最小限の費用で対面式のキッチンにリフォームできます。